皆様初めまして。ヴォイストレーナーの松村湧太と申します。
今こうしてこのサイトをご覧頂いている方は、歌う事が大好きだけど、上手く歌えない曲があったり、思い通りの声が出せなかったり、ご自身の声に何らかの問題を感じて、このサイトを訪れて頂いた事では無いでしょうか。
また、『現在進行形でボイストレーニングを受けているけど伸び悩んでいて、新しい先生を探している』という方もいらっしゃる事でしょう。
歌は、「技術さえあれば、人の心を動かせる歌が歌えるようになる訳ではない」のは確かです。
しかし、歌う事が大好きなのに、全然思い描いた通りの声が出せなくて、自分の声を好きになれなかったり、
歌いながら『この部分歌いにくいんだよなあ、声出にくいんだよなあ・・・』と、もやもやと声の問題を頭の中に抱えながら、素敵な歌を歌う事は出来ません。何より、歌っていて楽しくありませんよね。
昨今はネットの発展により、ボイトレに関する情報も「ボイトレ 方法」などと検索すると、多くのボイストレーナーや声の専門家の方など、沢山の方が情報を発信しておられ、様々な情報が簡単に手に入るようになりました。
しかし、大体出てくるのは
『喉を開く』
『腹式呼吸』
『背筋を鍛える』
『声を前に飛ばして』
『おでこに響きを集める』
など、何やら抽象的な言葉が並んでいたり
『チェストボイス、ヘッドボイス、エッジボイスに〜〜〜ボイス・・・』
『〜〜〜筋と〜〜〜筋が作用する事によって、共鳴腔がどうなって・・・』
と、難しそうな用語が並んでいたり。
また、YouTubeには「〜〜〜の歌い方!」等、最近流行りの曲の歌い方のポイント動画や、「ミックスボイスの出し方!」などの動画を上げておられるボイストレーナーさんも多く見受けられますね。
まず、お茶を濁しても仕方がないので、はっきり申し上げます。
これまでの、そして現在も行われている日本のボイストレーニングのほとんどは、デタラメです。
例えば、日本では「ボイトレといえば!」の代名詞のように、音大や芸大の声楽科でも、街のボイトレ教室でも必ず行われている「腹式呼吸」ですが、そもそも、そんなものは存在しません。
当たり前ですが、人間が息を吸うと、呼吸は肺に入ります。
沢山息を吸うと、横隔膜が押し下げられ、その結果として腹部の内臓が圧迫されるので、「お腹が膨らむような感じがする」というだけです。
しかし100歩譲って、例えばこれが強く声を安定させるために必要だったとしましょう。
しかし歌って、必ずしも全員のやりたい事が『強い声で高い声を出したい』だけじゃないですよね。
手嶌葵さんのような、耳元で囁きかけるような暖かい声で優しく歌いたい、でも声が裏返ったり、ふらふらの声で歌いたくない。といった事がゴールの方もいらっしゃるでしょう。
ミュージカル俳優の方だと、それこそ踊りながら歌ったり、寝そべったような姿勢で歌ったり、「ノートルダムの鐘」の主役のカジモドのように、顔と身体を大きく歪めた状態で、声を敢えてしわがれさせながら、それでも強い高音が続く楽曲を、ロングランで喉を潰さずに歌い続けなければならない事も。
こういった事を実現する方法は、本当に『腹式呼吸』でしょうか?違います。
声が出る原理って、非常にシンプルなんです。
声は、声帯の2枚のひだに、息が当たって振動する事によって生まれます。声が上手く出ない時というのは、この声帯の振動が不安定になっている訳です。