『技術を身に着けるという事』

音楽をやっていると「音楽は技術じゃない」「技術があるから心に響くとは限らない」といった言葉をよく耳にします。音楽に限らず、全ての芸術でよく聞く言葉ですね。僕自身、正しいと思います。


しかし例えば、息をのむ程の美しいパフォーマンスで世界を虜にする、フィギュアスケートの羽生結弦さん。あの誰もがため息をついてしまう演技の美しさは、何よりまず世界トップレベルの技術力が下地にあるからこそ表現出来るものです。


磨きに磨き抜かれた技術というものは、その人がいかに真摯に芸術に向き合い、お客様に最高のものを届ける事から逃げずに向き合った軌跡でもあり、それ自体とても美しいものです。


そして何より、技術を身に着ける事の大きなメリットは、「表現だけに集中出来る」事です。


例えば歌だと、出しにくい高音がある時に「ここの音域、出しにくくて苦手なんだよな・・・喉をこういう風に使うと家では出たな。こうやってこうやって、えい!」と、発声の事を色々考えながら歌っている時は、表現力を最大限に発揮出来ないので、あまり魅力的な歌になりませんし、聞き手も「なんだか苦しそうだなあ・・・」と感じると、集中出来ません。


加えて、技術がなければ「選べる声色」の種類も少ないので、表現の選択肢が少ないんですね。


やはり「こう歌いたい!」と頭の中で思い描いている通りに歌えるのが、一番その人そのものがパフォーマンスに出るので、魅力的なものになります。


間違いなく音楽は、技術だけでは人を感動させる事は出来ません。しかしプロは、技術を身に着ける事から逃げてはいけない。


そして、技術を身に着ける上では、「近道」はありませんが、「遠回り」はしない方が良いですよね。


発声は物理的なものです。『こうすると、こうなる』という事が、はっきり科学的に解明されています。


プログラミングの世界に「車輪の再開発」という言葉があります。


車輪というものがこの世界に既に開発されているのに、それを無視して自分で0から車輪というものを開発するような無駄な事はしないで、既に開発されているものはどんどん使ってコピペして、先に進みましょうね。といった意味だそうです。


ボイトレでも同じ。既に科学的に解明されて結果が出ているものに対して、「いや、視野が狭くなってしまってはいけない」とか「謙虚に学び続けなければいけない」「正解なんてない。自分なりの正解を見つけないと!」といった、耳障りの良い言葉に逃げて、色々な方法論をつまみ食いしてしまうと、いつまでも自己流の半端な技術しか身につきません。


正確なロジックを学び、その上で、誰よりも努力する。ここに尽きます。

世界一簡単・最速で結果を出すボイトレ。松村湧太VOICE LAB

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